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初めてでも書ける!インターン応募:ES・志望動機の作り方

就活やインターン応募でよく耳にする「ES(エントリーシート)」。
これは履歴書よりも詳しく、自己PRや志望動機を通じて自分をアピールする書類で、企業はここから学生の人柄や意欲を見ています。
特にインターン応募におけるESは、本選考と違って「将来性」や「学ぶ姿勢」を重視するケースが多いのが特徴です。つまり完璧な実績よりも、経験から得た学びや成長の姿勢が評価されやすいのです。
この記事では、ESが必要な理由と基本構成、例文を用いてよくあるミスと改善例を紹介し、初めてでも安心して書けるようステップ形式で解説します。
ESが必要な理由
インターンに応募するとき、多くの学生が最初に直面するのが「ES(エントリーシート)」です。ESと聞くと就職活動本選考のイメージが強いかもしれませんが、インターン段階でもES提出を求める企業は少なくありません。
特に近年は、早期から学生との接点を持とうとする企業が増え、1Dayインターンやオープンカンパニー型のプログラムが一般的になってきました。参加希望者が多い場合は、全員を受け入れることが難しく、企業はESを使って選抜を行います。
では、なぜ企業はインターンの段階からESを重視するのでしょうか?理由は大きく3つあります。
- 学生の意欲を測るため
ESを書く過程で、学生は「なぜその業界か」「なぜその企業か」を整理する必要があります。企業はその思考のプロセスを見て、「どれだけ意欲があるのか」を判断します。 - 将来性を見極めるため
学生が過去にどんな経験をし、どう行動してきたかは、その人の将来の成長力を映す鏡でもあります。たとえ実績が華々しくなくても、考え方や努力の姿勢から「伸びしろ」を感じ取ることができます。 - ミスマッチを防ぐため
企業にとっても、インターンは採用活動の一環です。ESを通じて学生の志向性を把握することで、「お互いに合わない」というミスマッチを防ぐことができます。
つまりESは、単なる応募書類ではなく、学生と企業をつなぐ第一のコミュニケーションツールなのです。インターンの段階から真剣に取り組むことで、その後の本選考でも必ず役立ちます。
基本構成と書き方
ESにはいくつかの代表的な項目があります。初めての人ほど「型」に沿って整理すると、効率的で説得力のある文章に仕上げられます。ここからは、その主要な項目を順に解説していきましょう。
自己PR
自己PRは、自分の強みを具体的な経験を通じてアピールする部分です。抽象的な性格の説明だけでは伝わりません。そこで役立つのが「STAR法」です。
- Situation(状況):どのような環境・背景で
- Task(課題):どのような役割・問題に直面し
- Action(行動):どのような工夫や取り組みを行い
- Result(結果):どのような成果につながったのか
この流れで書くと、誰が読んでも理解しやすく、具体性のある文章になります。
志望動機
多くの学生にとって、つまずきやすいのが「志望動機」です。よくある失敗は「貴社の理念に共感しました」だけで終わってしまうケース。これではどの企業にも当てはまる内容になってしまい、差別化ができません。
志望動機を書くときは「Why業界」「Why企業」「Whyインターン」の3段階を意識すると、筋の通った文章になります。
- Why業界:その業界に興味を持った背景や学び
- Why企業:なぜ他社ではなくその企業なのか(事業・サービス・社風など具体的に)
- Whyインターン:インターンで何を学びたいのか、どう成長したいのか
この3つを盛り込むことで、志望動機がぐっと説得力を増します。
ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)
ESで定番の質問が「学生時代に力を入れたこと」です。ここで問われているのは、単なる経験の紹介ではなく、課題解決力・粘り強さ・工夫する姿勢など「行動特性」です。
- 部活動での役割
- アルバイトでの挑戦
- 学業や研究での成果
- ボランティアや長期インターン経験
いずれの場合も、「どのような困難に直面し、どう乗り越えたか」を入れると評価されやすくなります。
オープンカンパニー特有の質問
1Dayインターンやオープンカンパニー形式の応募では、次のような質問が増えています。
- 「当社のプログラムで学びたいことは何ですか?」
- 「当社に興味を持ったきっかけを教えてください」
こうした問いには、自分の関心分野と企業の特徴をリンクさせて答えることが大切です。企業研究を怠らず、「貴社だから学べること」を具体的に書きましょう。
例文で学ぶ OK/NG
実際の例を見ながら、良い文章と改善すべき文章を比べてみましょう。
自己PR
NG例
「私はリーダーシップがあります。サークル活動でリーダーを務め、多くの人をまとめました。」
→ 抽象的で、具体性がなく、どのように行動したのかが伝わりません。
OK例
「私は目標達成に向けて周囲を巻き込むリーダーシップがあります。大学のサークルで新入生歓迎イベントを企画した際、集客が伸び悩み、目標100名に対して50名しか集まりませんでした。そこでSNSを活用した宣伝班とビラ配布班を立ち上げ、役割を明確にしました。結果として最終的に120名の参加者を集める成果につながりました。この経験を通じて、状況を分析し組織を動かす力を身につけられたと考えています。」
→ STAR法を使い、状況・行動・成果が明確に伝わります。
志望動機
NG例
「貴社の理念に共感し、ぜひ参加したいと考えています。」
→ 抽象的で他社にも当てはまる。オリジナリティに欠ける。
OK例
「大学でデータ分析を学ぶ中で、貴社が提供する◯◯サービスにおけるAI活用事例を知り、データを通じて社会課題を解決する姿勢に強い魅力を感じました。今回のオープンカンパニーを通じて、実際の業務プロセスを体験し、自分の知識をどのように社会に還元できるかを学びたいと考えています。」
→ 「自分の経験」「企業の特徴」「インターンで学びたいこと」の3点が揃い、具体性が増しています。
学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)
NG例
「私はアルバイトを頑張りました。お客様に喜んでもらえるよう努力しました。」
→ 具体性がなく、どのように行動したかが分かりません。
OK例
「私は飲食店のアルバイトで接客に力を入れてきました。ピーク時には待ち時間が長く、クレームが増える状況が続いていました。そこでスタッフ間で「情報共有ノート」を導入したところ、提供スピードが平均5分短縮され、月間クレーム件数を半減させる成果につながりました。この経験を通じて、課題を見つけ出し改善策を実行する力を身につけることができたと考えています。」
→ 課題解決の流れが明確で成果も数字で示されています。
インターン・オープンカンパニー特有の質問
質問例:「当社のインターンで学びたいことを教えてください」
NG例
「社会人の仕事の進め方を学びたいです。」
→ 抽象的で、どの企業でも通用する回答。
OK例
「大学でマーケティングを学ぶ中で、貴社が展開する若年層向け商品のプロモーションに強い関心を持ちました。オープンカンパニーでは、実際の企画立案プロセスを体験し、自分のアイデアをどう市場に結びつけられるかを学びたいと考えています。」
→ 大学での学習内容と企業の強みをリンクさせ、個別性が出ています。
4. チェックリスト
最後に、ES提出前に確認すべき項目をまとめました。
- 文字数は制限内に収まっているか?
- 抽象的すぎず、具体例や数字を盛り込んでいるか?
- 志望動機が「どの企業でも通用する内容」になっていないか?
- 自己PRと志望動機に一貫性があるか?
- 誤字脱字はないか?
- 読み手が理解しやすい構成になっているか?
- 第三者(友人・キャリアセンター等)に読んでもらったか?
これらを一つひとつ確認すれば、完成度は格段に高まります。
ESの書き方に不安がある方は、既存のテンプレートを参考にしてみるのもおすすめです。
たとえば「ES テンプレート」や「エントリーシート テンプレートサイト」といったキーワードで検索すると、さまざまな業種に対応した参考テンプレートを配布しているサイトが見つかります。
まとめ
ESは、インターン応募における「最初の関門」であり、同時に「自分を知ってもらう最初のチャンス」です。
特にオープンカンパニー型インターンは半日〜1日で完結する短期プログラムが多く、応募選考プロセスが簡略化されているため、ESの内容次第で参加できるかどうかが左右されるケースもあります。だからこそ、ESを通して「意欲」や「学びたいこと」を明確に伝えることが重要です。
一方で、数日〜数週間にわたる通常のインターンでも、やはり入口となるのはESです。自己PRや志望動機が弱ければ、参加の機会を逃してしまうかもしれません。つまり、形式や期間に関わらず、すべてのインターン応募でESは参加への大切な鍵となります。
- 型を意識すれば初心者でも必ず書ける
- 例文と改善ポイントを参考に具体性を意識する
- チェックリストで最終確認を怠らない
この3点を意識すれば、初めてのESでも安心して応募できます。インターンは「練習の場」であり、経験を積むほど本選考でも自信を持って臨めるようになります。
「初めてだから不安」と感じる方こそ、まずは一歩を踏み出しましょう。今回紹介したステップや例文を参考に、あなた自身の言葉でESを完成させてください。その経験が、きっと、将来の就活成功につながります。